- 動画制作の方法
- 構成
動画における「構成」とは? 重要性や大切な考え方、構成の流れなどを解説【制作会社監修】
動画制作を考える際、多くの人が悩むのが「どのように構成を組み立てれば良いか」という点です。
映像の目的に沿ったシナリオや場面の流れを適切に設計しなければ、視聴者に伝えたいメッセージがぼやけ、効果的なプロモーションになりません。
また、どのような順序で情報を伝えるかによって、視聴者の反応が大きく変わるため、動画構成は非常に重要な要素です。
そこで、本記事では制作会社監修のもと「動画構成とは何か」「シナリオ構成の考え方」「構成を設計する際の具体的なポイント」について解説します。
適切な構成を理解すれば、視聴者を引きつける動画を制作し、訴求力の高いコンテンツを生み出すことが可能です。
動画の成功を左右する構成の重要性について、ぜひここで理解を深めてくださいね。
動画構成とは?
動画制作は以下の流れで行います。動画構成とは、動画制作の流れにおける2番目の工程です。
- 企画
- 構成 ←
- 撮影
- 編集
- 公開
企画段階で定めた目的やターゲットに基づき、シナリオやシーンの順序を具体的に設計する作業です。
動画全体の骨組みを形作るため、この段階の完成度が、その後の撮影や編集の質にも大きく影響します。
具体的には、シナリオの作成、映像と音声のタイミングを決める絵コンテの制作、使用するBGMやナレーションの配置などが含まれます。
また、情報の伝え方を整理し、視聴者にとってわかりやすい流れにするのも重要です。
たとえば、「何を最初に見せ、どこで印象的なシーンを配置するか」といった細部まで計画します。
この段階をしっかりと作り込むことで、ブレのない映像表現が可能となり、視聴者の心に響く動画に仕上がります。
動画制作における「構成」が重要な理由
動画制作における構成が重要な理由は、主に以下の3つがあります。
- 伝わりやすい動画になる
- 修正を最小限にできる
- 無駄なコストがかからなくなる
1つずつ解説していきます。
伝わりやすい動画になる
動画制作における構成が重要な理由は、伝わりやすい動画になるということです。
構成をせずに制作を進めると、動画全体の流れが不明瞭になり、視聴者に伝えたいメッセージがぼやけてしまいます。
特に複数の要素を詰め込むと、主張が散漫になり、何が重要なのかが視聴者に伝わりづらくなることも。
たとえば、商品の紹介動画で導入部分が長くなりすぎたり、メリットの説明が後回しになると、視聴者の興味を引き続けることが難しくなります。
構成が整った動画は、一貫性があり、視聴者が理解しやすく、最後まで視聴される可能性が高まるでしょう。
修正を最小限にできる
修正を最小限にできるという点も、動画制作における構成が重要な理由になります。
構成を明確にした上で撮影に進むと、現場での撮影内容や進行がスムーズになり、想定外の変更や手戻りを防ぐことができます。
逆に、構成を疎かにしたまま撮影を行うと、後から「思っていた映像と違う」「伝えたい要素が不足している」といった問題が発生する可能性が高くなります。
その結果、再撮影や編集のやり直しが増え、制作スタッフへの負担がかかり、納期も大幅に遅れるリスクも出てくるでしょう。
計画段階で構成を確定させれば、こうした手戻りを最小限に抑えることができます。
無駄なコストがかからなくなる
動画制作で構成が重要な理由に、無駄なコストがかからなくなるという点も考えられます。
動画構成が不十分なまま制作を進めると、撮影し直しや編集の手戻りが増え、予想外のコストがかかるケースが多くなります。
たとえば、撮影現場での追加の時間や人員の確保、編集作業の増加による工数の増大などが代表的です。
また、再撮影には場所や機材の再手配が必要になる場合もあり、特に大規模な映像制作では費用の増加が避けられません。
あらかじめ構成を固めておけば、無駄な作業を削減し、限られた予算内で効率的な動画制作が実現します。
動画の構成で大切な4つの考え方
動画の構成で大切な考え方は以下の4つです。
- 動画の目的・ターゲットを明確にする
- 起承転結をつける
- 最後まで見てもらえる動画にする
- 費用対効果を意識する
それぞれみていきましょう。
動画の目的・ターゲットを明確にする
動画構成を設計する際には、まず「動画の目的」と「ターゲット視聴者」を具体的に設定することが重要です。
目的が曖昧なままでは、動画全体のメッセージがぼやけ、視聴者に効果的に伝わりません。
商品の認知拡大が目的の場合、シンプルなメリットを強調するのが効果的です。
一方、ターゲットのニーズを理解し、それに合わせたメッセージや表現を取り入れることで、視聴者の興味を引きつけられます。
的確な構成は、目的に沿ったコンテンツでターゲットに響く動画を実現します。
起承転結をつける
動画には「起承転結」を盛り込むことでストーリー性を高め、視聴者が内容を自然に理解できるようにすることが効果的です。
導入(起)で視聴者の関心を引き、問題提起や情報の提示(承)を行い、解決策やアクションの促し(転・結)につなげます。
このように流れを組むことで、動画の一貫性が保たれ、視聴者の興味を維持することができます。
さらに、詳細な「起承転結」の解説については、次の章でご覧ください。
最後まで見てもらえる動画にする
動画の長さが長すぎると、視聴者は途中で興味を失い、最後まで見てもらえない可能性が高まります。
動画構成を作成する際は、視聴者にとって「何が必要か」を見極め、無駄を省いた効果的な内容にまとめるのが大切です。
商品の紹介動画であれば、主要なメリットを短時間で伝えつつ、次のアクションを促す構成が効果的です。
冒頭で視聴者を引き込み、その後も必要な情報を適切に配置すれば、視聴完了率の向上が期待できるでしょう。
費用対効果を意識する
映像のクオリティを上げることは、コストの増加を伴いますが、高いコストが必ずしも効果に直結するわけではありません。
動画の目的やターゲットに見合った予算配分を行い、費用対効果を意識するのが重要です。
たとえば、高価な映像機材やCGを用いた動画が効果的な場合もありますが、シンプルな構成でも目的を達成できる場合もあります。
無駄なコストを削減しながら、視聴者に伝えたい内容が伝わる動画を制作することで、最適な成果を得られるでしょう。
動画構成の流れ
動画構成の流れは以下の通りです。
- 動画の目的・ターゲットの決定
- 動画の掲載先の選定
- 動画スタイルの検討
- 絵コンテ・シナリオ作成
解説していきます。
動画の目的・ターゲットの決定
動画制作の第一歩は、「何を目的とするか」と「誰に向けて作るか」を決めることです。
商品の販売促進が目的であれば、商品のメリットを簡潔に伝えるのが大切になります。
一方、企業ブランディングの場合は、企業の価値観やビジョンを強調する必要があるでしょう。
ターゲットも明確でないと、視聴者のニーズに合わない動画になり、効果を上げるのが難しくなります。
目的やターゲットがブレると、メッセージが不明瞭になり、動画の視聴完了率やコンバージョン率が下がるリスクもあるでしょう。
ターゲットの年齢や興味関心を調査し、目的に応じた適切なアプローチを決めれば、効果的な動画の構成が可能です。
動画の掲載先の選定
動画をどこに掲載するかによって、その作り方が大きく変わります。
たとえば、自社サイトに掲載する場合は、自社の製品やサービスをじっくり紹介する長めの動画が適しています。
一方、SNSに掲載する動画は、視聴者の関心を引くために短くインパクトのある構成にする必要があります。
また、動画広告として活用する場合は、最初の数秒で興味を引く内容を盛り込むことが重要です。
掲載先を選定する際には、目的やターゲットと一致したメディアを選び、視聴者がどの媒体で最も接触する可能性が高いかを考慮する必要があります。
動画スタイルの検討
動画の目的とターゲットに基づき、適切なスタイルを選定するのが重要です。
主な動画スタイルとしては、以下のような選択肢があります。
種類 | 内容 |
実写動画 | インタビューや商品レビューなど、リアルな表現が必要な場合に有効 |
アニメーション動画 | 複雑なサービスや製品の説明をわかりやすく表現するのに適している |
イメージ映像 | 企業の世界観や雰囲気を伝えるときに活用 |
具体的な紹介動画 | 商品の使い方やメリットを詳細に説明 |
選んだスタイルが動画の目的とターゲットに合わないと、視聴者の関心を引くことができず、期待する効果が得られない可能性があります。
絵コンテ・シナリオ作成
絵コンテとシナリオは、動画制作の設計図です。
これらを具体化すれば、撮影や編集の際にブレのない進行が可能になります。
絵コンテやシナリオ作成は、以下の手順で進めるのが一般的です。
- シーンの順番を決定:どのタイミングで何を見せるかを具体的に決めます。
- セリフやナレーションを作成:映像に合わせた音声のタイミングも重要です。
- BGMや効果音の選定:音の要素が映像にどのような印象を与えるかも考慮します。
- 重要なシーンのビジュアルを描く:絵コンテに主要なシーンをスケッチします。
これにより、撮影現場での無駄な手戻りを防ぎ、スムーズな進行を実現できます。
シナリオが具体的であればあるほど、撮影・編集の作業も効率的に行え、完成度の高い動画に仕上がります。
動画構成で活用したい代表的なフレームワーク
動画構成で活用したい代表的なフレームワークは以下があります。
- 起承転結
- PREP
- CAMS
- ABCD
それぞれ解説していきます。
起承転結
起承転結は、日本の伝統的な構成法で、物語や説明に自然な流れを生み出すフレームワークです。
詳細は以下を参考にしてみてください。
項目 | 説明 | 具体例 |
起 | 導入部分で視聴者の興味を引く | 「新製品の発売に期待していますか?」 |
承 | 問題や情報を提示する | 「実は、この製品が従来の課題を解決します。」 |
転 | 驚きや展開を見せて興味を高める | 「実は、特許技術を使った初の商品です。」 |
結 | 結論や次の行動を促す | 「今すぐウェブサイトで詳細をチェック!」 |
起承転結は、ストーリー性を高めれば、視聴者が最後まで興味を持ち続けられる構成です。
PREP
PREPは、説得力のある説明を行うためのフレームワークです。
PREPは、「結論から述べ、その理由と具体例を提示し、再度結論を述べる」ことで、相手に納得感を与えます。
PREPの詳しい内容は以下の通りです。
項目 | 説明 |
Point(結論) | まず結論を述べる(「この商品は業界最高の性能です」) |
Reason(理由) | 結論の理由を説明(「最新の技術を搭載しているからです」) |
Example(例) | 具体例を挙げる(「多くの企業が導入し、売上が向上しました」) |
Point(結論) | 最後にもう一度結論を繰り返す(「この製品が最適な選択です」) |
PREPは、シンプルでわかりやすく、特にプレゼンテーションや商品の訴求に効果的です。
CAMS
CAMSは、行動を促進するためのフレームワークで、視聴者に具体的なアクションを取らせる構成を設計します。
項目 | 説明 |
Catch(つかみ) | 視聴者の注意を引く(「今すぐお試し!」) |
Appeal(ベネフィット) | 視聴者の感情に訴える(「この商品で日々の生活が変わります」) |
Motivate(動機づけ) | 行動への意欲を高める(「先着100名限定で割引あり!」) |
Suggest(行動の提案) | 次に取るべき行動を提案する(「今すぐサイトから購入!」) |
このフレームワークは、消費者の行動を促進するプロモーションや広告で効果を発揮してくれるでしょう。
ABCD
ABCDは、Googleが推奨する動画広告のフレームワークで、視聴者の行動を引き出し、ブランド認知を高めるために設計されています。
項目 | 説明 |
Attract(ひきつける) | 最初の5秒で視聴者の関心を引く |
Brand(ブランド) | ブランドを印象的に伝える |
Connect(つながる) | 視聴者の感情とつながるメッセージを伝える |
Direct(誘導する) | 視聴者に具体的な行動を促す |
ABCDは、「TrueView広告」のように、短時間で行動を促す動画広告に効果的です。
まとめ
動画制作において「構成」は、動画の目的達成や視聴者の関心を引きつけるために欠かせない要素です。
ターゲット設定や掲載先の選定、スタイルの検討、絵コンテの作成など、各プロセスを丁寧に進めることで、効果的な動画が完成します。
さらに、起承転結やPREP、CAMS、ABCDといったフレームワークを活用することで、構成の質を高め、視聴者の行動を促進できるでしょう。
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