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動画制作と映像制作の違いは?プロが解説
昨今動画コンテンツの需要が急速に高まる中、「動画制作」と「映像制作」の違いがわかりづらく、どう使い分ければいいか分からない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな悩みを解消するために、動画制作と映像制作の違いを、動画制作会社のプロが詳しく解説します。
基本的な定義や違いを理解し、それぞれの制作プロセスや使用される技術について解説するとともに、プロの視点を通じて、皆様が最適な制作サービスを選択できるようサポートいたします。
どのような場合にどちらのサービスを選ぶべきか、具体例を挙げてご紹介もしているので、納得のいく制作会社選びとコンテンツ制作にぜひ参考にしてみてくださいね。
動画制作と映像制作の違いは「時間あたりの情報量」
動画制作と映像制作の大きな違いは、「時間あたりの情報量」です。業界ではIPT(時間あたりの情報量)で区別されます。
IPTが高いコンテンツは「動画」と呼ばれ、短時間で多くの情報を伝える広告やプロモーションビデオに適しています。
一方、IPTが低いコンテンツは「映像」とされ、映画やドキュメンタリーのようにストーリーを深く描くものに使われる場合が多いです。
この違いを理解することで、目的に合ったコンテンツ制作が可能になります。
次項にて、以下について詳しく解説していきます。
- IPTとは?
- 「映像」の意味と起源
- 「動画」の意味と起源
- 「動画」と「映像」の使い分け
それぞれみていきましょう。
IPTとは?
IPTとは時間あたりの情報量のことを指します。具体的には、コンテンツが視聴者に対して一定の時間内にどれだけの情報を提供するかを測る指標です。
高いIPTを持つコンテンツは短時間で多くのメッセージやデータを伝えるのに適しており、主に広告やプロモーション動画に利用されます。
一方、低いIPTのコンテンツは視聴者の深い理解や感情を喚起したいシーンに適しています。映画、ショートフィルムなどは「動画」ではなく「映像」と呼ぶことが一般的です。
「映像」の意味と起源
「映像」という言葉は、物や景色の姿を光学的に再現したもの、またはその記録を指します。
映像の起源は19世紀後半にさかのぼり、初期の映画や写真技術に由来します。
映像技術の発展は、1890年代に発明されたリュミエール兄弟のシネマトグラフやトーマス・エジソンのキネトスコープなど、初期の映画装置に大きく依存しています。
これらの技術は、動く映像を撮影し再生することを可能にし、映画という新しい芸術形態を確立しました。
映像はストーリーテリングやドキュメンタリーの手段として発展し、感情や物語を視覚的に伝える強力なメディアとなりました。
「動画」の意味と起源
「動画」は、連続する静止画を高速で切り替えることにより、動きを持つ映像を作り出す技術を指します。
動画の起源は19世紀末にあり、映画の登場と共に発展しました。最初の動画技術は、エドワード・マイブリッジの連続写真やトーマス・エジソンのキネトスコープに見られます。
これらの技術は、動きを再現するために静止画を高速で連続して表示する仕組みを利用していました。20世紀初頭には、映画技術が進化し、サウンドやカラーの導入により、動画は一層の発展を遂げました。
現在では、デジタル技術の進化により、動画は広告、エンターテインメント、教育など幅広い分野で利用されています。
「動画」と「映像」の使い分け
従来は「短時間の映像=動画」だった
数秒から数分といった短い時間で整理された情報を伝える場面では、一般的に「動画」という表現が使用されてきました。
具体的には、ウェブサイトやSNSで活用されるコンテンツがこれに該当します。たとえば、商品紹介やチュートリアル、プロモーションビデオなどがその典型です。
これらの「動画」は短時間で視聴者の関心を引き、明確なメッセージを伝えることを目的としています。そのため、IPT(時間あたりの情報量)が高く、情報を圧縮して効果的に伝える技術が求められます。
逆に、数十分から数時間といった長い時間をかけて、製作者のメッセージや作品の世界観を伝える場面では、一般的に「映像」という表現が使用されてきました。具体的には、テレビ番組や映画などがこれに該当します。
これらの「映像」は、ゆっくりとしたペースで視聴者に物語や感情を伝えることを重視しており、IPTが低いのが特徴です。長い時間をかけて、視覚的・聴覚的に豊かな表現を追求することで、視聴者に深い印象を残すことを目的としています。
従来は、ウェブやSNSで活用されるIPTの高いコンテンツを「動画」、テレビや映画で活用されるIPTの低いコンテンツを「映像」と呼び分けていました。
近年は「動画」と「映像」の境界線が曖昧になりつつある
しかし、インターネット技術の発展に伴い、「ウェブ」や「SNS」を通じて配信されるIPTの低いコンテンツも「動画」と呼ばれるようになってきました。
たとえば、NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスでは、映画やテレビ番組といった長尺のコンテンツも「動画」として配信されています。
このように、「動画」と「映像」という言葉は起源が異なるものの、現代ではしばしば混同して使われる場面が多く、その境界線は曖昧になっています。
プロの世界では現在も「IPTが高い=動画」「IPTが低い=映像」と呼び分ける
動画制作や映像制作を専門とするプロの世界では、依然としてIPTの高いコンテンツを「動画」、IPTの低いコンテンツを「映像」と呼び分けています。これは、制作プロセスや技術、求められるスキルが異なるためです。
企業が「動画」や「映像」の制作を検討する際、この前提知識を理解していると、制作会社とのコミュニケーションが円滑になり、ニーズに最適なサービスを選択することができます。
たとえば、商品紹介やイベントのプロモーションを目的とする場合は、短時間で強いインパクトを与える「動画」が適しているでしょう。
一方で、企業のブランドストーリーやドキュメンタリーを伝える場合は、視聴者に深く訴えかける「映像」が適しています。
このような使い分けを理解することで、目的に合ったコンテンツ制作が可能になり、視聴者に対してより効果的なメッセージを伝えることができます。
動画と映像、それぞれの特性を活かして、最適なコンテンツを制作しましょう。
動画制作と映像制作の制作工程の違い
「動画」と「映像」では時間あたりで伝える情報の密度が異なるため、当然制作の過程も異なります。
ここでは、動画制作の制作過程と映像制作の制作過程について詳しく解説します。
動画制作の制作工程
動画制作は、短い時間で情報を整理し、視聴者に密度の高い情報を伝えるためのプロセスです。
動画制作の制作工程は、以下の通りです。
- 企画・プランニング
- スクリプト作成
- ストーリーボード作成
- 撮影準備
- 撮影
- 編集
- 校正・フィードバック
- 最終仕上げ
それぞれの詳細と注意点について解説していきます。
動画制作の各工程を理解し、注意点を踏まえれば、効果的で高品質な動画コンテンツを制作することができますよ。
1. 企画・プランニング
動画制作の最初のステップは企画・プランニングです。
この段階では、動画の目的やターゲットオーディエンス、メインメッセージを明確にします。
例えば商品のプロモーションビデオを作成する場合、以下の内容を決定します。
- 商品の特徴や利点をどのように強調するか
- ターゲットとなる消費者層は誰か
- 動画のスタイルやトーンはどうするか など
この段階での綿密な計画は、制作全体の成功を左右する重要な要素です。
【注意点】
この段階での曖昧な計画は、後の工程での混乱や再作業の原因となります。関係者全員の意見を集め、詳細なブリーフィングを行うのが重要です。
2. スクリプト作成
次に、動画のスクリプトを作成します。
スクリプトは、動画の内容を文章で詳細に記述したもののこと。シーンの順番、ナレーションやキャプション、映像の詳細などを具体的に書き出します。
スクリプトは、制作チーム全員が同じビジョンを共有するための重要なツールです。
【注意点】
スクリプトは明確で具体的であることが求められます。不明瞭なスクリプトは、撮影や編集時に問題を引き起こす可能性があります。
3. ストーリーボード作成
スクリプトをもとに、ストーリーボードを作成します。
ストーリーボードは、動画の各シーンを視覚的に表現したもので、映像の流れやカットの構成を視覚的に確認するためのものです。
これにより、撮影時の段取りがスムーズになり、必要なカットを事前に把握できます。
【注意点】
ストーリーボードはできるだけ詳細に描くことが重要です。これにより、撮影時の誤解や混乱を避けることができます。
4. 撮影準備
撮影前に必要な機材やロケーション、キャストなどの準備を行います。
この段階では、ロケーションスカウトやキャスティング、機材の手配などが含まれます。撮影スケジュールを立て、必要なリソースを確保する必要があるでしょう。
【注意点】
撮影前の準備が不十分だと、撮影当日にトラブルが発生しやすくなることも。特に機材のチェックやロケーションの確認は念入りに行う必要があります。
5. 撮影
撮影は動画制作の中心的な工程です。この段階では、カメラのアングルや照明、音声などに注意を払い、計画通りの映像を撮影します。
【注意点】
撮影時には、スクリプトやストーリーボードに忠実に進めることが大切。しかし、現場での状況に応じた柔軟な対応も必要です。また、音声の録音状態を常に確認し、クリアな音声を確保することが重要です。
6. 編集
撮影が完了したら、次は編集です。
編集では、撮影した映像をつなぎ合わせ、不要な部分をカットし、音楽や効果音、テキストを追加します。
【注意点】
編集では、情報の過不足がないかを確認し、視聴者にとって分かりやすい構成にすることが重要です。また、映像のテンポやリズムにも注意を払い、視聴者の興味を引き続けるよう工夫します。
7. 校正・フィードバック
編集が完了したら、校正とフィードバックの段階に入ります。完成した動画をチーム内で確認し、必要な修正点を洗い出します。
【注意点】
フィードバックは具体的で建設的なものにすることが重要です。漠然とした指摘ではなく、具体的な改善点を示すことで、効率的な修正が可能になりますよ。
8. 最終仕上げ
フィードバックをもとに修正を行い、最終的な仕上げを行います。
この段階では、色調整や音声の最終調整など、細部にわたる仕上げ作業が行われます。最終的に完成した動画を納品します。
【注意点】
納品前には必ず最終チェックを行い、クライアントの要望に完全に応えられているか確認します。
映像制作の制作工程
映像制作は、製作者のメッセージや作品の世界観を的確に伝えるためのプロセスです。映像制作の一般的な工程とその際の注意点についても、以下の流れで解説します。
- 企画・プランニング
- スクリプト作成
- ストーリーボード作成
- 撮影準備
- 撮影
- 編集
- 校正・フィードバック
- 最終仕上げ
映像制作の各工程を理解し、注意点を踏まえれば、製作者のメッセージや作品の世界観を的確に伝える高品質な映像コンテンツの制作が可能です。
1. 企画・プランニング
映像制作の最初のステップは企画・プランニングです。この段階では、映像の目的やターゲットオーディエンス、メインメッセージを明確にします。
例えば、ドキュメンタリーを制作する場合は以下の詳細を計画します。
- テーマ
- 視点
- 取材対象
- 撮影場所 など
映画の場合は、物語の骨組みやキャラクターの設定、シーンの構成を綿密に検討します。この段階での詳細な企画は、制作全体の質と成功を左右しかねません。
【注意点】
企画段階での不十分な計画は、後の工程での混乱や無駄なコストの原因となります。関係者全員の意見を集約し、詳細なブリーフィングを行うのが重要です。
2. スクリプト作成
次に、映像のスクリプトを作成します。
スクリプトは、映像の内容を詳細に記述したもので、シーンの順番、台詞、ナレーション、映像の詳細などを具体的に書き出します。
スクリプトは、制作チーム全員が同じビジョンを共有し、統一された作品を作り上げるための重要なツールです。
【注意点】
スクリプトは明確かつ具体的であることが求められます。不明瞭なスクリプトは、撮影や編集時に問題を引き起こす可能性があります。
3. ストーリーボード作成
スクリプトをもとに、ストーリーボードを作成します。
ストーリーボードは、映像の各シーンを視覚的に表現したもので、映像の流れやカットの構成を視覚的に確認するためのものです。
これにより、撮影時の段取りがスムーズになり、必要なカットを事前に把握できます。
【注意点】
ストーリーボードはできるだけ詳細に描くのが重要です。これにより、撮影時の誤解や混乱を避けられるでしょう。
4. 撮影準備
撮影前に必要な機材やロケーション、キャストなどの準備を行います。この段階では、以下の準備が挙げられます。
- ロケーションスカウト
- キャスティング
- 機材の手配
- スケジュールの策定 など
特に、映像のトーンやスタイルに合ったロケーションやキャストを選定するのが重要ですよ。
【注意点】
撮影前の準備が不十分だと、撮影当日にトラブルが発生しやすくなります。特に機材のチェックやロケーションの確認は念入りに行う必要があるでしょう。
5. 撮影
撮影は映像制作の中心的な工程です。計画に基づいてシーンを撮影していきます。この段階では、カメラのアングルや照明、音声などに注意を払い、計画通りの映像を撮影します。
ドキュメンタリーの場合は、リアルな瞬間を捉えるための臨機応変な対応が求められます。一方、映画の場合は、演技や演出に細心の注意を払い、シーンごとの一貫性を保つのが重要になります。
【注意点】
撮影時には、スクリプトやストーリーボードに忠実に進めることが重要です。しかし、現場での状況に応じた柔軟な対応も大切。
また、音声の録音状態を常に確認し、クリアな音声を確保することが必要になります。
6. 編集
撮影が完了したら、次は編集です。編集では、撮影した映像をつなぎ合わせ、不要な部分をカットし、音楽や効果音、テキストを追加します。
編集ソフトを使用して、映像の流れをスムーズにし、視聴者にとって魅力的な作品に仕上げます。
【注意点】
編集では、物語の構成やテンポに注意し、視聴者がストーリーに引き込まれるような編集を心掛けます。また、映像の色調整や音声のバランスにも細心の注意を払い、プロフェッショナルな仕上がりを目指します。
7. 校正・フィードバック
編集が完了したら、校正とフィードバックの段階に入ります。
完成した映像をチーム内で確認し、必要な修正点を洗い出します。複数の視点からチェックすることで、見落としやミスを防ぎます。
【注意点】
フィードバックは具体的で建設的なものにすることが重要です。
漠然とした指摘ではなく、具体的な改善点を示せば、効率的な修正が可能になりますよ。
8. 最終仕上げ
フィードバックをもとに修正を行い、最終的な仕上げを行います。
この段階では、色調整や音声の最終調整など、細部にわたる仕上げ作業が行われます。最終的に完成した映像を納品します。
【注意点】
納品前には必ず最終チェックを行い、クライアントの要望に完全に応えられているか確認します。
また、納品後のフォローアップとして、クライアントからのフィードバックを受け取り、今後の改善に役立てるのも重要です。
まとめ
動画制作と映像制作は、情報の密度や時間あたりの情報量(IPT)で区別されます。
映像業界の中では、IPTが高い短時間のコンテンツは「動画」、IPTが低い長時間のコンテンツは「映像」と呼ばれている場合が多いです。
映像制作や動画制作は、以下の流れで制作されます。
- 企画・プランニング
- スクリプト作成
- ストーリーボード作成
- 撮影準備
- 撮影
- 編集
- 校正・フィードバック
- 最終仕上げ
それぞれの制作する上での詳細や、注意点を理解してみてくださいね。
計画から最終仕上げまでのプロセスを丁寧に進め、視聴者に強い印象を与える動画や映像を作り上げましょう。
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