動画のフレームレート「30fps」と「60fps」の違いとは?用途別の最適な選び方を事例を交えて徹底解説!

動画のフレームレート「30fps」と「60fps」の違いとは?用途別の最適な選び方を事例を交えて徹底解説!

動画を制作する際、フレームレートの選択は映像の品質や印象に大きな影響を与える重要な要素です。「30fps」や「60fps」という数値はカメラやスマホの設定でよく...

nakajima

監修者:nakajima

情報工学(ロジック)と広報(エモーション)のバックグラウンドを持つマーケター/ライター。 「技術的な正しさ」と「人の心に響く言葉」の架け橋となることを強みとし、現在は株式会社CACTASにてクリエイティブの可能性を科学的アプローチで言語化している。難解な情報を噛み砕き、読者のインサイトに深く寄り添うコンテンツ設計には定評がある。「論理で紐解き、感性で届ける」をモットーに、成果に繋がる情報発信を探求中。

動画を制作する際、フレームレートの選択は映像の品質や印象に大きな影響を与える重要な要素です。「30fps」や「60fps」という数値はカメラやスマホの設定でよく目にしますが、具体的にどのような違いを生むのか分からない方も多いでしょう。

また、「用途や目的によってどのフレームレートを選べば良いのか」は、初心者だけでなく経験者にとっても悩ましいポイントです。

本記事では、動画制作会社監修の専門的な視点から、フレームレートの基本的な意味や、30fpsと60fpsの違い、そして用途別の最適な選び方を分かりやすく説明します。ぜひ動画制作の参考にしてみてください。

フレームレートとは?

動画におけるフレームレートは、映像の「滑らかさ」を左右する重要な要素です。まずは基本概念を押さえておきましょう。

フレームレート=1秒あたりのフレーム数(画像の枚数)を表す単位

フレームレートとは、動画が1秒間に何枚の静止画像(フレーム)を表示するかを示す単位です。英語の「Frames Per Second(1秒ごとのフレーム数)」の頭文字をとって「fps」と表記されます。

パラパラ漫画を想像すると分かりやすいです。1秒間にめくるページ数(フレーム数)が多いほど動きが滑らかになり、逆に少ないとカクついた動きになります。

フレームレートの30fpsと60fpsで動画はどう変わる?

カメラの標準設定でよく見かける「30fps」と「60fps」。まずは、違いを視覚的に比較してみましょう。

上記の画像は、走るアスリートを撮影した際のイメージです。

30fps(画像左):1秒間に記録する枚数が少ないため、1枚の画像を記録する時間(シャッタースピード)が長くなり、手足に大きな被写体ブレが生じています。これが動画として連続再生された時、自然な動きの繋がりやシネマティックな雰囲気を作り出します。

60fps(画像右):1秒間に記録する枚数が倍になるため、1枚を記録する時間も短くなり、動きがピタッと止まって(シャープに)写ります。これが動画として連続再生された時、スポーツやゲーム実況のような「生々しいリアリティ(ヌルヌル感)」が生まれます。

このように、1枚1枚のフレームに含まれる「ブレの量」が、映像全体の印象を大きく左右しているのです。

参考動画:「FPSによる動画の違い!1fpsから960fpsまで!」

フレームレートが30fps/60fps/120fpsと変わることで、映像を視聴した時の印象が変わることが伝わったかと思います。

それぞれの与える印象を整理しておきます。

30fps:日常的で自然な「テレビ・Webの標準」

30fps(正確にはNTSC方式の29.97fps)は、日本のテレビ放送やYouTubeなど、Web動画における最も一般的な標準規格です。

人間の目にとって違和感がなく、自然で落ち着いた印象を与えます。また、60fpsと比較してデータ容量(ビットレート)を抑えられるため、長時間の撮影やVlog、インタビュー動画などに最適です。

60fps:滑らかで生々しい「リアリティの追求」

60fpsは、1秒間に60枚の画像を処理するため、動きが非常に滑らか(ヌルヌル)になります。

目の前で実際に起きているような生々しさやリアリティが出るため、スポーツ、ゲーム実況、ダンス動画など「速い動き」を正確に伝えたい場合に威力を発揮します。

近年はスマホ視聴(特にTikTokなどの縦型動画)において、この滑らかさが好まれる傾向にあります。

120~240fps:スローモーション表現が可能に

120fpsや240fpsなどのハイフレームレートは、主に「スローモーション撮影」で使用されます。

例えば、120fpsで撮影した素材を30fpsのタイムラインで再生すると「4倍スロー」、240fpsなら「8倍スロー」となり、水滴が落ちる瞬間やスポーツの劇的なシーンを美しく表現することが可能です。

用途ごとに最適なフレームレート設定は?

フレームレートは「高ければ高いほど良い」というわけではありません。撮りたい被写体や用途によって最適な設定は異なります。

一般的に撮影が可能な動画からプロの現場まで、用途別の最適解を解説します。

一般的なYouTube動画・Vlog・風景(30fps)

風景の撮影や、日常を切り取るVlog、トーク中心のYouTube動画では30fpsが最適です。

自然な滑らかさを保ちながらデータ容量を節約できるため、パソコンでの編集作業も軽く済みます。動きが激しくない映像で60fpsを使うと、かえって映像が安っぽく見えてしまうこともあるため注意が必要です。

ゲーム実況・スポーツ・ダンス動画(60fps)

動きの速いゲーム実況や、スポーツ、ダンスの撮影では60fpsが推奨されます。

激しいアクションでもブレや残像が少なく、視聴者にストレスを与えません。YouTubeでも60fpsは標準サポートされており、スピード感や没入感を高めたいコンテンツで人気です。

映画撮影・シネマティックVlog(24fps)

映画の世界では、長年にわたり24fpsが採用されてきました。

このわずかなカクつきが「モーションブラー(被写体ブレ)」を生み出し、映画特有の風合い(シネマティックな印象)を作り出します。シネマティックなVlogやMV(ミュージックビデオ)を制作したい場合は、あえて24fpsに設定するのがプロのテクニックです。

Web会議・ウェビナー(15〜30fps)

ZoomなどのWeb会議では、15〜30fpsが一般的です。

会議では人の顔や資料の共有が主な内容であり、高いフレームレートは必要ありません。むしろフレームレートを下げることで通信帯域の負荷を軽減し、音声の途切れやフリーズを防ぐ安定した接続が可能になります。

防犯カメラ・ネットワークカメラ(10〜15fps)

防犯カメラでは、10〜15fps程度の低フレームレートが基本です。

常時録画を行うため、データ容量の節約とネットワークの負荷軽減が最優先されるからです。10fps程度でも人物の動きは十分に把握でき、証拠映像としての役割を果たします。

ドライブレコーダー(27.5fpsなど特殊設定)

ドライブレコーダーは基本的に30fps前後ですが、「LED信号機対策」として27.5fpsや29fpsといった特殊な数値が採用されているモデルが多くあります。

LED信号機は1秒間に数十回点滅しており、日本の電力周波数(50Hz/60Hz)とカメラのフレームレート(30fps/60fps)が完全に同調してしまうと、信号機の光が消えて録画されてしまう現象(同期現象)を防ぐためです。

フレームレートの設定に関する4つの注意点

フレームレートを変更する際は、以下の技術的なポイントや設定ルールに注意しましょう。

フレームレートが高いほどデータ容量(ビットレート)が大きくなる

60fpsは30fpsの倍の画像を記録するため、データ容量も大幅に増加します。

高解像度(4Kなど)で60fps撮影を行うと、SDカードの容量があっという間に埋まり、パソコンでの編集時にも大きな負荷がかかります。画質を保つためには「ビットレート」も上げる必要があり、書き出し時間やアップロード時間にも影響するため、必要性を考慮して選択しましょう。

シャッタースピードは「フレームレートの2倍」が基本

動画撮影における重要なルールとして「180度ルール」があります。自然なブレ(モーションブラー)を生み出すために、シャッタースピードの分母をフレームレートの約2倍に設定するという基本原則です。

  • 30fpsで撮影する場合:シャッタースピードは「1/60秒」
  • 60fpsで撮影する場合:シャッタースピードは「1/120秒」

これを無視してシャッタースピードを速くしすぎると、パラパラとした不自然な映像になってしまいます。

ハイフレームレートは再生機器(リフレッシュレート)の対応が必要

いくら60fps以上のハイフレームレートで作られた映像でも、再生する側のモニターやスマホが対応していなければ意味がありません。

モニターが1秒間に画面を書き換える回数をリフレッシュレート(Hz:ヘルツ)と呼びます。例えば120fpsの滑らかな映像を見るには、120Hz以上に対応したゲーミングモニターや最新のスマートフォンが必要です。

【スマホ撮影の注意点】VFR(可変フレームレート)による音ズレ

スマートフォン(iPhoneなど)で撮影した動画は、データ容量を節約するために、動きの少ないシーンで自動的にfpsを下げるVFR(可変フレームレート)が採用されていることがあります。

VFRで撮影された動画を動画編集ソフト(Premiere Proなど)に読み込むと、映像と音声がズレる(音ズレ)原因になるため、編集前に固定フレームレート(CFR)に変換するなどの対策が必要です。

よくある質問

Q. YouTubeにアップするなら30fpsと60fps、どちらのフレームレートがいいですか?

A. トーク中心の動画やVlogなら「30fps」、ゲーム実況やスポーツ、ガジェットのレビューなど動きや滑らかさを見せたいなら「60fps」がおすすめです。迷ったらまずは汎用性の高い「30fps」で撮影を始めてみましょう。

Q. 30fpsの動画を編集ソフトで60fpsに書き出したら滑らかになりますか?

A. 基本的にはなりません。元のデータに存在しないフレームは作れないため、同じ画像が2回繰り返されるだけでデータ容量だけが無駄に大きくなります。(※2026年現在、AIによる「フレーム補完機能」を使えば擬似的に滑らかにすることは可能ですが、不自然なノイズが出る場合もあります。)

Q. 4Kと60fps、どちらを優先すべきですか?

A. 目的によります。風景や静止した商品のディテール(細部)を見せたいなら「4K/30fps」。スポーツやゲームなど、動きの滑らかさを重視しつつデータ容量を抑えたいなら「1080p(フルHD)/60fps」という使い分けが一般的です。

まとめ:フレームレートの違いを理解して最適な動画制作を

フレームレートの設定は、動画の滑らかさや、視聴者に与える「映像の印象」に大きな影響を与える重要な要素です。

  • 24fps:映画のようなシネマティックな表現
  • 30fps:日常風景やYouTube、テレビの標準
  • 60fps:スポーツやゲームなど、滑らかで生々しい表現

用途に応じた最適な設定を選ぶことはもちろん、データ容量やシャッタースピードとの関係、再生機器の対応といった技術的な基本を理解することで、動画のクオリティは劇的に向上します。目的に合ったフレームレートを活用し、視聴者に快適な映像体験を提供しましょう。

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