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映像制作契約書とは? 必要な理由・記載内容・注意点を徹底解説【制作会社監修】
「映像制作の契約書ってどうして必要なの?」
「映像制作の契約書の書き方を知りたい」
「映像制作契約書にどんな内容を盛り込むべきかわからない」
このような悩みを抱えていませんか?
契約書は、映像制作を進めるうえで欠かせない重要な書類です。正しく作成できていないと、後々トラブルの原因になることもあります。
しかし、映像制作を初めて依頼する人にとっては、契約書の作成や内容確認は難しいと感じられるものです。また、「映像制作 契約書」などで検索しても専門用語が多く、具体的な内容や注意点がわからないことも多いでしょう。
そこでこの記事では、動画制作のプロであり、数多くの映像制作を経験してきたMOBALが映像制作契約書について解説します。映像制作契約書が必要な理由や記載すべき内容、作成する際のポイントなど、知りたい疑問を満遍なく紹介していきます。
これから映像制作契約書を作成しようとしている方にとくにおすすめの内容です。納得のいく契約書を準備し、プロジェクトをスムーズに進めていくためにも、ぜひ最後までご覧ください。
映像制作契約とは
映像制作契約とは、映像の制作における依頼者と制作会社が交わす契約のことです。映像制作契約書があることで、依頼内容や費用、納期、著作権の扱いなどの取り決めが明確化され、法的な効力を持つようになります。
映像制作契約書は、映像制作を外部に委託する際に取り交わすケースがほとんどです。契約書を結んでおくことで、制作過程で起こるトラブル防止につながります。万が一トラブルが発生しても、記載内容を基に解決できるでしょう。
契約を結ばない場合、著作権の帰属が不明瞭になったり、動画の使用期限が曖昧になったりするなどの問題が発生するおそれがあります。トラブルが起きた際に、解決が難しくなるリスクも高まるでしょう。
双方が安心して制作を進めるためにも、しっかりと契約を締結することが大切です。
映像制作契約が必要な理由
映像制作契約書が必要な理由は、主に以下の3つです。
- 条件のすり合わせができる
- トラブル発生時の対応がスムーズになる
- 知的財産権の取り扱いが明確になる
それぞれ詳しく解説していきます。
条件のすり合わせができる
映像制作契約を結ぶことで、映像制作に関する条件のすり合わせができます。制作内容や納期、報酬といった重要な条件を明確にし、双方でしっかりと確認・合意することで認識の違いを防ぎましょう。
素材や撮影場所はどちらが用意するのか、完成物の具体的な仕様や修正回数、支払いのタイミングなども記載したい条件です。詳細な内容まで契約書に明記することで、制作中の混乱を避けられます。
条件のすり合わせは、プロジェクトを円滑に進めるために重要です。後から「そんな話は聞いていない」といったトラブルを起こさないためにも、契約締結時にしっかりと条件を話し合っておきましょう。
トラブル発生時の対応がスムーズになる
映像制作契約を結んでおくと、万が一トラブルが発生した場合でも迅速かつ円滑な解決が期待できます。契約書がないと、相手が契約違反をした場合でも違反の立証が難しく、損害賠償の請求もできなくなるおそれがあります。
たとえば、納期の遅れや報酬の支払い遅延、修正回数をめぐる意見の対立などが起きた際にも、契約書があれば明確な対応が可能です。万が一トラブルが発生しても対応できるよう、事前に契約書を取り交わし、禁止事項や違反した場合の解決方法などを明記しておきましょう。
知的財産権の取り扱いが明確になる
映像制作契約を結ぶと、知的財産権の取り扱いが明確になり、後々のトラブル防止につながります。
映像制作では知的財産権に関するトラブルは少なくありません。たとえば、制作した映像を決められた期間をこえて利用したり、無断で二次利用したりするケースが考えられます。
こうした問題を避けるためにも、権利の帰属先や映像の取り扱いについて事前に取り交わしておくことが重要です。契約書にしっかりと明記しておけば、制作後に問題が起こっても、双方が合意した内容に基づいてスムーズに解決できるでしょう。
映像制作契約書に記載すべき内容
映像制作契約書は、依頼者と制作会社が安心してプロジェクトを進めるために欠かせない書類です。完成までトラブルなく進めるためにも、また万が一トラブルが起きても円滑に解決できるよう、内容はしっかりと作成しましょう。これから、映像制作契約書に記載すべき主要な条項について、具体的に解説していきます。
用語の定義
映像制作契約書では、まず使用する用語を定義しましょう。たとえば、依頼者を「甲」、制作会社を「乙」、制作対象となる映像を「本動画」と表記し、それぞれの意味を契約書の冒頭で説明しておきます。こうすることで、契約書全体を通じて使われる言葉が統一され、誤解を防げます。
委託する内容
映像制作契約書には委託する内容も明記します。企画立案、構成、脚本、撮影、編集など、どこまでが依頼内容に含まれるかを具体的に決定しましょう。契約書締結の段階で「依頼範囲」を明確にしておくことで、制作もスムーズに進みます。
納期
契約締結時には、納期や納品方法も明確に定める必要があります。「納品物は〇年〇月〇日までに指定の形式でデータ納品する」と具体的に記載しましょう。また、映像の形式や再生時間、本数といった納品フォーマットについても事前に取り決めておきます。
さらに、納品後の検品期間を設定するのも重要です。納品された映像が仕様を満たしていない場合、どこまで修正を依頼できるかルールを決定しておきましょう。
委託料
映像制作契約書には、委託料を必ず明記しましょう。総額や支払いのタイミング、分割払いの場合のスケジュールなどを具体的に記載します。
また、依頼内容の変更や追加作業を行った際は、追加料金が発生する可能性があることも明記してください。「追加料金は双方協議のうえで発生する」といった取り決めがあれば、安心して契約を進められます。
知的財産権の帰属
映像制作契約書には、著作権などの知的財産権が誰に帰属するのかを明確に記載することも重要です。制作動画の著作権は基本的に制作会社に帰属します。しかし、依頼者が対価を支払っていることから、自社に著作権が帰属すると考えるケースも少なくありません。
このようなトラブルを防ぐために、契約書に著作権の帰属先や譲渡の有無、譲渡方法などを具体的に記載しておく必要があります。事前に取り決めることで、双方が安心して制作を進められるでしょう。
映像の使用条件・範囲
映像制作契約書には、完成した映像をどのような目的で、どの範囲で使用できるのかを明確に記載しましょう。たとえば、WebサイトやSNS、広告、イベントでの使用など具体的な用途を明記することで、使用範囲に対する双方の認識を統一できます。
また、使用期間や使用地域も事前に決めておきましょう。映像をめぐった予期しないトラブルや、不適切な利用を防げます。
改変の可否
制作した映像を改変できるのかできないのかも、映像制作契約書で定めておきましょう。改変の可否を曖昧にしておくと、依頼者が許可なく編集や変更を加える可能性があります。制作会社側の意図や権利が損なわれ、トラブルに発展するおそれもあるため注意が必要です。
著作権譲渡の有無に関係なく、改変の可否については事前に契約書で決定しておきましょう。
原版の保管
映像制作契約では、原版(撮影データや編集データなど)をどのくらいの期間保管するのかを明確に決めておくことが重要です。
制作した動画の原版は、制作会社が一定期間保管するのが一般的です。しかし、保管できるデータ容量には限りがあるため、保存期間を契約書で明確に定める必要があります。保存期間は企業によって異なりますが、大体3〜5年にすることが多いです。
秘密情報
映像制作契約では、制作過程で知り得た情報(企画内容、顧客情報、技術情報など)や納品された映像に関する秘密保持義務も決めておきましょう。
映像制作を委託する際には、依頼者が制作会社にさまざまな情報を提供します。その中には社外秘のデータや未公開の企画内容なども含まれることがあり、外部に漏れると大きなトラブルにつながるでしょう。情報漏えいを防ぐためにも、契約書締結時に秘密保持条項を設けて、ルールをしっかり明記することが重要です。
損害賠償
契約違反があった場合の損害賠償についても、契約書に明記しておく必要があります。映像制作を通して、納期の遅れや納品物の不備、秘密保持義務の違反などが発生した場合、損害賠償請求の対象となります。
契約書には、損害賠償を請求できる条件や手続き、賠償額の算定方法、さらには賠償金の上限を具体的に記載しましょう。契約時に具体的に決めておくことで、万が一トラブルが発生しても迅速かつ円滑な対応が可能です。
映像制作契約書を作成する際のポイント・注意点
映像制作契約書を作成・締結する際に特に注意すべき点は以下の3つです。
- 料金内で行う業務の範囲を明確にする
- 納品の条件
- 知的財産権の帰属や取り扱いを明確にする
それぞれのポイントについて具体的な事例を交えて解説していきますので、詳しく見ていきましょう。
料金内で行う業務の範囲を明確にする
映像制作契約書では、料金に含まれる業務の範囲をはっきりと定めることが重要です。契約書と見積書の内容を照らし合わせ、具体的な業務内容(企画、撮影、編集、納品、修正回数など)を確認しておきましょう。
たとえば、「修正は何回まで対応するのか」「追加の撮影にはどれくらい費用がかかるのか」といった条件を契約書に記載しておくことで、後からのトラブルを防げます。あらかじめ取り決めをしておけば、安心してプロジェクトを進められるでしょう。
納品の条件
映像制作契約書では、納品の条件も明記しておきましょう。
まず、データ形式やファイルサイズ、解像度など、納品物の具体的な仕様を決めます。また納品方法についても、オンラインストレージを利用するのか、DVDで提出するのかなども決定しましょう。さらに、納品映像の検収方法(発注者による確認やテスト上映など)や、その検収期間も決める必要があります。
契約時に納品の条件をしっかり記載することで、双方の認識の齟齬を防ぎ、スムーズに制作を進められるでしょう。
知的財産権の帰属や取り扱いを明確にする
映像制作契約書は、知的財産権の帰属や取り扱いを明確にすることが重要です。
制作会社は、制作した映像の知的財産権を自社に残したいと考えるのが一般的。一方で依頼者は、動画を自由に活用するために、知的財産権の譲渡を受けたり利用許諾範囲を広げたいと考えるでしょう。
基本的に、映像の知的財産権は制作会社に帰属します。契約書での特別な取り決めがない場合、依頼者は映像を改変したり、目的以外で使用したりはできません。
知的財産権を契約後に交渉するのは難しいため、契約を締結する段階でしっかりと話し合うことが重要です。
まとめ
映像制作契約書は、依頼者と制作会社が安心してプロジェクトを進めるために欠かせない書類です。契約書があることで、業務範囲や納期、知的財産権の帰属など重要な内容を明確にし、トラブルを未然に防げます。
また、契約書には具体的な条項を記載するだけでなく、修正回数や追加料金、納品条件、改変の可否など細部にわたる取り決めも含めることが重要です。
この記事で紹介したポイントを参考に、双方が納得できる契約書を作成し、スムーズに映像制作を進めましょう。
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