成果の出る研修動画の作り方・6つのステップと成功のコツ

成果の出る研修動画の作り方・6つのステップと成功のコツ

企業の成長を力強く支える「社員教育」。新入社員向けの基礎研修から、現場の業務スキル、コンプライアンスの周知まで、企業がカバーすべき教育の内容は年々多岐にわたって...

青木 英佑

監修者:青木 英佑

株式会社CACTAS(カクタス) 代表取締役。同志社大学を卒業後、サンフランシスコへ留学し、その後デトロイトで日系企業の支社立ち上げに参画。帰国後は大手PR会社を経て、2018年に株式会社CACTASを設立。 自社サービスとして、動画制作・映像制作サービス「MOBAL(ムーバル)」を皮切りに、YouTube運用コンサル「ProTube(プロチューブ)」、TikTok運用コンサル「TTブースト」など、デジタルマーケティング領域で複数の事業を展開。 動画・WEB・SNSといったデジタル領域の知識に精通しており PR/マーケティングの戦略設計からクリエイティブの最適化まで一貫して並走する、包括的なソリューション提供を得意としている。

企業の成長を力強く支える「社員教育」。新入社員向けの基礎研修から、現場の業務スキル、コンプライアンスの周知まで、企業がカバーすべき教育の内容は年々多岐にわたっています。こうした幅広い教育をさらに充実させるため、いま「研修動画の作り方」を知り、自社の資産として活用していくことが非常に重要です。

本記事では、2000件以上の実績をもつプロの視点から、失敗しない研修動画の作り方を6つのステップで分かりやすく解説します。

さらに、身近なツールである「PowerPoint(パワポ)」を使った手軽な自作手順も網羅していますので、今日からすぐに社内教育のアップデートに活用いただけます。

研修動画の種類(目的・ターゲット別)

研修動画と一口に言っても、対象者や目的によって最適なアプローチは異なります。

まずは自社がどの動画を作るべきか、全体像を把握しましょう。

研修の種類ターゲット動画の内容・テーマ例
新人・中途向け研修新入社員、中途採用者ビジネスマナー、企業理念、社内ルールの説明、オフィス案内
業務・スキル研修現場の担当者、営業職社内システムの操作方法、営業のロープレ実演、接客マナー
コンプライアンス研修全社員ハラスメント防止、情報セキュリティ対策、個人情報の取り扱い
マネジメント研修管理職、リーダー層人事評価のフィードバック方法、チームビルディング、目標管理

失敗しない!研修動画の「テーマ」の決め方

動画化するテーマは以下のポイントを基準に選定するのがコツです。

毎年(毎月)必ず繰り返し行っているテーマを選ぶ

「交通費の精算方法」や「名刺の渡し方」など、誰がいつ入社しても必ず教える定型業務から動画化しましょう。現場のOJTの手間が劇的に削減されます。

「文字」より「動き」で見た方が早いテーマを選ぶ

システムの操作画面(どこをクリックするか)や、接客時の正しいお辞儀の角度など、マニュアルを読ませるより「見た方が早い」ものが動画に最適です。

逆に、深く読み込ませたい就業規則の細かな規約などは、PDFやテキスト資料のままのほうが適しています。

研修動画の作り方 6つのステップ

動画制作は「準備」が8割と言っても過言ではありません。

いきなりカメラを回すのではなく、以下の6つのステップに沿って進めることで、手戻りのない質の高い動画が完成します。

【研修動画制作の基本フロー】

  • ステップ1:目的とゴールの設定
  • ステップ2:テーマと形式の決定
  • ステップ3:台本・絵コンテの作成
  • ステップ4:撮影準備(場所・機材の手配)
  • ステップ5:撮影・録音
  • ステップ6:編集・書き出し

ここからは、各ステップで具体的に何をすべきか、失敗しないためのポイントを詳しく解説します。

ステップ1:目的とゴールの設定

まずは「誰に」「動画を見た後、何ができるようになってほしいか」を明確にします。

例えば「新入社員が、経費精算システムを1人でミスなく操作できるようになる」といった具体的なゴールを設定します。

ここがブレると、情報が詰め込まれただけの「結局何が言いたいのか分からない退屈な動画」になってしまうため、最も重要な工程です。

ステップ2:テーマと形式の決定

ゴールに合わせて、最適な「動画の形式」を選びます。

講義形式(スライド+音声)

知識のインプット(社内ルールやツールの使い方)に最適です。

実演・ドラマ形式(実写)

営業のロープレや接客マナー、ハラスメント研修など「感情」や「空気感」を伴うものに向いています。

アニメーション形式

目に見えない概念(理念や複雑なシステム構造など)を分かりやすく図解するのに適しています。

ステップ3:台本・絵コンテの作成

「何を話すか(音声)」と「何を映すか(映像)」をすり合わせる設計図を作ります。

マニュアル解説であれば箇条書きのメモ程度でも構いませんが、実演形式の場合は「一言一句のセリフ」と「その時のカメラの構図」を記した絵コンテ(香盤表)を作成しましょう。

これにより、当日の「撮り忘れ」を完全に防ぐことができます。

 
絵コンテ・構成表の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

ステップ4:撮影準備(場所・機材の手配)

機材はスマホと三脚、そして「ピンマイク」があれば十分ですが、一番気をつけたいのが「撮影環境」です。

会議室を予約する際は、必ず「空調の音がうるさくないか」「外のサイレンや話し声が入らないか」を事前に確認してください。

映像の暗さは後からある程度調整できますが、ノイズまみれの音声は修正が非常に困難です。

ステップ5:撮影・録音

台本に沿って撮影を進めます。ここでプロが実践している最大のコツは「言い間違えても、カメラを止めないこと」です。

間違えたら、そのまま3秒ほど黙って(間を空けて)から、間違えた文の頭から言い直してください。

後から編集ソフトでその「間」の部分をカットする(ジャンプカット)ほうが、何度も録画ボタンを押し直すより圧倒的に早く、スムーズに撮影が終わります。

ステップ6:編集・書き出し

撮影した素材を編集ソフト(またはパワーポイント)に取り込み、不要な「えー」「あのー」といった言い淀みや沈黙をカットしてテンポを良くします。

また、専門用語や絶対に覚えてほしいキーワードには、必ず「テロップ(字幕)」を入れましょう。

研修動画は無音や1.5倍速で視聴されることも多いため、視覚的な補助が理解度を大きく左右します。

研修動画を成功させるための「3つのコツ」

「音声」のクリアさにこだわる

映像が多少暗くても視聴できますが、声が割れていたり小さかったりすると、学習ストレスになります。

スマホ撮影でも、外付けの「ピンマイク」を使用することを推奨します。

テストや小テストを組み合わせる

「見て終わり」を防ぐため、動画の最後やLMS(学習管理システム)上で簡単な確認テストを実施し、理解度を測る仕組みを作りましょう。

テロップ(字幕)で要点を強調する

音声なしで視聴する環境(通勤中の電車など)も考慮し、重要なポイントは必ず大きくテロップで表示させます。

研修動画を作る3つの大きなメリット

教育クオリティの「標準化」

教える人(先輩社員)のスキルや機嫌によって指導内容にバラつきが出る属人化を防ぎ、全員に100点の教育を提供できます。

教育コスト・時間の「劇的な削減」

講師の登壇費用、会場費、そして現場の社員がOJTに割いていた膨大な時間をカットし、本来のコア業務に集中させることができます。

「いつでも・何度でも」復習可能

受講者は自分のペースで学習でき、分からなかった箇所は巻き戻して確認できるため、知識の定着率が高まります。

【実践】PowerPoint(パワポ)での研修動画の作り方と適切な長さ

検索エンジンでも調べられることが多いのが、特別なソフトを使わずに「PowerPoint」だけで研修動画を作る方法です。

社内向けのマニュアルやシステム解説などに非常に有効です。

パワポ動画の作り方(手順)

スライドの準備

スマホやPCで全画面表示されることを前提に、文字は大きく(最低24pt以上)、1スライド1メッセージで簡潔に作成します。

「スライドショーの記録」機能を使う

パワーポイントの上部メニューから「スライドショー」>「スライドショーの記録」をクリックします。

音声を吹き込む

マイクを接続し、スライドをめくりながら解説の音声を吹き込みます(Webカメラをオンにして、ワイプで話し手の顔を画面隅に入れることも可能です)。

MP4形式でエクスポート

録音が終わったら、「ファイル」>「エクスポート」>「ビデオの作成」を選び、「.mp4」形式で保存すれば完成です。

研修動画の「適切な長さ(尺)」について

結論から言うと、1つの動画は「3〜5分以内(最長でも10分)」の「マイクロラーニング形式」にするのが鉄則です。

60分の集合研修をそのまま1本の動画にするのではなく、「第1章:ログイン方法(3分)」「第2章:経費入力(4分)」のように細かく分割しましょう。

これにより、受講者が後から「あの部分だけ復習したい」と思った時に、すぐ該当箇所を見つけやすくなります。

研修動画に関する「よくある質問」

Q. 最初はどのテーマから動画化すべきでしょうか?

A. 「新入社員向けのPCセットアップ」や「経費精算システムの操作」など、毎年・毎月必ず質問が来て、現場の担当者が同じ説明を繰り返しているテーマから着手してください。

最も早く「動画にして良かった」という費用対効果(業務削減)を実感できます。

Q. パワーポイントで作った動画がどうしても退屈になってしまいます。

A. 画面の動きが少ないことが原因です。「アニメーション機能」を使ってクリックごとに図解を出したり、重要な箇所をレーザーポインター機能で指し示したりして、視覚的な変化をつけましょう。

また、1スライドあたりの時間を短くし、テンポよくスライドを切り替えるのもコツです。

Q. 自社で内製するか、プロに外注するかの判断基準はありますか?

A. 「社内向けのマニュアル・操作説明」は、内容の変更も多いためパワーポイント等での内製(自作)が向いています。

一方、「ハラスメント研修(実写のドラマ仕立てが必要)」や「新卒向けの理念浸透動画(企業ブランディングに関わるもの)」は、クオリティが説得力に直結するため、プロの制作会社への外注をおすすめします。

まとめ

研修動画は、現場の先輩社員を「同じことを何度も教える負担」から解放し、新入社員には「いつでも復習できる安心感」を与えてくれる素晴らしいツールです。

まずは手軽なPowerPointを活用した内製からスタートし、社内の教育をアップデートしていきましょう。

一方で、「会社の顔となる重要な研修動画を作りたい」「社員のモチベーションを上げるハイクオリティな映像が必要だ」「内製するリソースすらない」という場合は、ぜひ外部のプロフェッショナルを頼ってください。

貴社の課題に寄り添い、最適な活用法を一緒に考えさせていただきます。

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